迷人の日記帳

鉄道写真の撮影、旅の記録、プラレールの改造について書いていきます

最後のアディショナルタイムーEF66 27号機を撮る(後編)

こんにちは。駿河の迷人です。

本日はお題の通り、EF66 27号機撮影記録の後編です。

実を言うと、後編などというものは本当は生まれないはずだったんです。
シャトル便のあと順当に運用が流れると、新鶴見を朝7時ごろに出発する3075レに充当され、朝の東海道を颯爽と下っていきます。

前日、日付が変わるころまで出かけている迷人に朝からの撮影は到底不可能
そんなことは分かりきっていたので土曜日の撮影の段階で「今日の撮影が自分にとって最後の機会だ」と言い聞かせていました。

もちろん、起きられたら静岡まで追いかける予定は立てていましたが(え?)

土曜日の深夜、就寝前に公式情報を見たところ3075レに接続する貨物が2時間遅れと出ており、淡い期待を抱きつつ布団に入りました。

そして迎えた日曜日の朝。
JR貨物の公式情報を見た私は目を疑いました。

遅れ7時間59分・・・?!

なにがどうしたらそうなるのか全く判りませんが、27号機は未だ新鶴見を出ていない。これだけは確実なようです。

間に合う。ラストチャンスに間に合う。

そう思ったときには手にカメラの入ったカバンをもって着替えている自分がいました。

行かなければ絶対に後悔する。確信に近い気持ちがありました。


この日は偶然にも熱海試単の施行日。前哨戦を兼ねて恵比寿駅からスタートです。
うーん若干のピン甘。休日の熱海試単は鶴見停車→貨物線走行らしいので先回りして藤沢へ向かいます。


しかし通過番線を間違えるという痛恨のミス。
あたふたしているうちに通過してしまい、ご覧の通り何を撮りたかったのか全く分からない出来に…

さすがに2日連続の終日お出かけは体力的に厳しいものがあったので、なるべく都心から離れたくなかったのですが、この結果では追っ掛けせざるを得ません…

幸いにも本命の27号機はまだ新鶴見で接続待ちをしている模様。
迷った挙句、熱海方面の列車に乗って


長時間停車が設定されている真鶴までやってきてしまいました。こんなはずじゃなかったんだけどな…

とりあえずここで心ゆくまでPFを撮り、心を落ち着けることにします。

それにしても、こんなところまで来てしまってどうしようか…
当てもなくこの先の行程を思案していたところ、先ほど駅先で撮影していた時に声をかけてくれたおじさんに「27どこで撮る?」と訊かれました。

話を聞くとおじさんは かの有名な撮影地、米神踏切に行きたいらしく話に巻き込んだお兄さんにも「米神に一緒に行かないか?」と誘っていました。

27号機は新鶴見を出たばかり。今行けばまだ間に合いそうです。

とはいえ連日ニュースになるほどの記録的な暑さ。
この日も殺人的な光線が容赦なく降り注いでいました。

またとないチャンスと踏んで行くべきか、身の安全を最優先に断るべきか―。

悩みに悩んだ末、行くことに決めました。
灼熱の中、こまめに水と経口補水液を呑みながら30分ほど舗装路や林道を歩き、ようやく到着。ひと安心したせいか一気に疲れが出て、頭痛や吐き気といった熱中症の初期症状に近いものが出てしまいました。「やっぱり無理をし過ぎたか…」と後悔の念にさいなまれるも時すでに遅し。今はもう回復することを祈るしかありません。ところが、本当に、本当に幸いなことに、ここで上空に雲が湧いて辺りには涼しい風が。命からがらなんとか元気を取り戻すことができました。

さすが歴史的な撮影スポット。到着時既に10人以上の先客がいましたが、我々の後にも続々と到着してきます。高まる期待と緊張感。しかし、ここでこの空気に飲まれるといつも失敗するので「冷静に、冷静に」と言い聞かせて心を落ち着けました。


何はともあれ、まずは熱海試単。ほとんどの人が見向きもしていませんでしたが、迷人にとってはこっちも大事。せっかくの米神、上下とも堪能しなくては勿体ない。そんなドケチ精神を見せつつ撮れた一枚はまあ及第点。幾多のブルートレインが通った道をゆく青い機関車は、たとえ単行であってもカッコいいですね。


すぐに下りの立ち位置に戻ってセッティング。
静岡とちがって普電がデフォルトで10両・15両編成なので、普通に練習になります。


3075レの後ろを走ってくると思われていた1097レが、露払いをするように先に通過。
一瞬驚きましたが、これのおかげでパンタが切れてしまうことが分かり命拾いしました。

そして、ついに運命の時。

響くレールの摩擦音、ブロワーがこだまして縦2灯の慣れ親しんだ機体が姿を現しました。

フルスロットルで通過する27号機、夢中でシャッターを切る撮影者たち。

果たして、その出来栄えは―。

 

 


会心の一撃

モニターに映し出されたとき、涙があふれそうになりました。
夕日に照らされてくっきりと浮かび上がった鼻筋。奥まで伸びる長編成・満載の貨車、そしてしっかりとピントの合った前面―。

感無量とは、まさにこのことです。

これで本当に最後。その現実を受け入れられる一枚をこの手でつかみ取ることができました。

記事の更新が遅くなりましたが、改めて、この日お会いした多くの皆様、ありがとうございました。

そして、様々なトラブルに見舞われながらも27号機をここまで運用に入れていただいたJR貨物の皆様に、厚く、厚く御礼申し上げます。