迷人の日記帳

鉄道写真の撮影、旅の記録、プラレールの改造について書いていきます

最後の季節―。静岡車両区211系を撮る【春編】

こんにちは。駿河の迷人です。

新年のあいさつからあっという間に3か月もたってしまいました。

あいも変わらず忙しいですが、


お正月は撮り初めのほかにも「お年玉増結」を撮ったり、


月末には夕刻にやってきた遅れのロクゴーに遭遇したり、


2月は久しぶりにドクター東海に遭遇したりと、宣言通り毎月地元で撮り鉄して記録を積み重ねています。


東京でも細々とながら活動。
カシオペア紀行も撮影しました。今年全廃になると宣言されていた東日本の機関車どうやらもうしばらく動くらしく、カシオペアもまだ少し楽しめそうです。


ほかにも開発でビル影ができた高輪ゲートウェイに行ったり、


去就が示唆された海コン列車を撮りに行ったりと、それなりに活動しました。

え、これで3か月分の記事を全部チャラにしようと思ってるだろって…?そ、そそ、そんなわけないじゃないですか苦笑

さて、気を取り直して本題です。

季節はあっという間に過ぎて行き、うららかな春、桜の季節になりました。

実は迷人、この季節を今か今かと心待ちにしていました。今年の春は特別な春。
そう、211系と桜が撮れる最後の春なのです。

桜と一緒に撮影できるのは最長でも2週間、よくて週末4日分しかありません。
来る日も来る日も天気予報とにらめっこして週末が晴れ予報であることを祈り続けました。

東京の桜が満開を迎え、静岡の桜も満開宣言こそ出ていないものの各地それなりに咲きそろっているという状況で迎えた4月7日(日)の朝、さった峠ライブカメラで確認した静岡の天気は…

なんと、曇り…薄日こそ差していますがあまりにも弱い…

とはいえ予報は晴れと宣言されていたので、重い腰を上げて静岡へと向かいます。

最初の目的地は興津。昔から通った撮影地の1本桜がまもなく満開ということで順光の時間を狙っていきました。静岡駅で空を見上げると、心なしかところが先ほどライブカメラで見た時よりも空模様がいい感じ。期待を膨らませて興津へ向かいました。

ところが…


肝心の被写体が現れず。(別の記事でも書きますが)狙っていた列車が211系と313系8000番台の共通運用になっており、この日は運悪くすべて8000番台が充当。成功・失敗を論ずるまでもなく不戦敗となりました。

気を取り直して西へ移動。午後はもう一つの思い出の地、安倍川・用宗エリアで撮影です。


用宗はいつもの新幹線撮影ポイント側から撮るつもりだったのですが、津波避難タワーが解放されていたのでこちらでロケハン。非常にいい構図で撮れることがわかりました。


ちゃんとしたタイミングでシャッターを切れば奥のトラック軍団も隠れてGood
桜も満開だし、こっちを優先すべきだったなぁ…と思いつつ撮影しました。

ある程度撮ったところで安倍川に移動。山側の桜を狙うのでこちらは午後でもよかったのですが…


木が邪魔!
数年前来た時にはあんな木なかったはずなのに…思いのほかうまくいきませんでした。あれこれしているうちにタイムリミットになってしまい、この日は撤収。

かなり不完全燃焼でしたが、これ以上長居すると週明けに控えていた大仕事に支障をきたしそうだったので、泣く泣く静岡を発つことにしました。

週明けの静岡は連日曇りで時折雨と風も出たようす。興津の桜はどうやら力尽きてしまったようでしたが、撮り切れなかった撮影地の桜がかろうじて持ちこたえているという情報をTwitterのフォロワーさんに教えていただき、もう一度静岡に向かう決心をしました。

そして迎えた4月13日(土)先週よりも1時間早い新幹線で静岡に乗り付け、撮影を開始。


まずはどうしてもあきらめがつかなかった興津へ。事前の情報通り桜はほぼ散ってしまっていました。苦し紛れに1枚撮りましたが虚しさが増すだけだと気づき、それ以上はやめました。


気を取り直して次のポイントへ。ずっと気になっていた小川と桜のコラボに挑戦します。構図はいたって普通なのですが、ここの難しさは列車の現れるタイミング。上下線ともに建物で気配が感じられないため、通過までじっと構えて待たなければなりません。


腕をプルプルさせながら何枚か撮りましたが、早くも限界を感じて線路際まで移動。心の準備ができるのとできないのとでは結構ハードルが違い、こちらは気楽に取れました。この画角の作例は見たことがありませんが、川べりに座って電車を眺める少年が見た風景っぽい仕上がりになって、個人的にはお気に入りの一枚になりました。


このあと天気が徐々に下り坂になったため、静岡駅でスナップに変更。
春らしい服を着た人を入れて撮れるといいんですが、そううまくはいかないもので…
「春と秋は平成でサ終した」なんて言われるくらい極端な暑さ寒さが続くようになった昨今、自然も人も食べ物も、なかなか春モノ・秋モノはとりづらくなったと思います。

翌日も朝から撮影予定のため、早めに撤収しました。

翌14日(日)、予報通り改正の空の下、用宗駅に降り立ちました。
先週順光で撮れなかった用宗カーブのリベンジのためです。


下りが順光になるまでの時間は上り列車を撮影。朝早い時間にここに来ることもそうそうないので、1つ1つ丁寧に撮っていきます


この日は偶然にも上り方に211系が付いた運用が3連続。ここまでの運のなさを取り返すかのような引きの強さです。

下り順光の時間になったので移動。


前回行った津波避難タワーに上ろうと思ったのですが、その途上で良さそうな場所を発見したので1枚。どこまでアップにするか悩みましたが、ダイナミックに切り取ってみました。

そして本命の避難タワーからのカット。残念ながら手前の桜はほぼ散ってしまっていましたが、代わりに先週咲いていなかった後ろの桜が開花。かろうじて救われました。


公園の外に出るとつつじの花が。早くも次の季節の足音が聞こえていました。

あれこれ撮っているうちに、気づけば時間は昼下がり。タイムリミットを考えると次が最後の場所になりそうです。


迷人が最後の舞台に選んだのは興津川。回数こそ少ないものの思い出が詰まった場所。定番は昼前の下り構図ですが、先週車窓から見えた河川敷の桜並木が気になって、この日は対岸の上り側へ。お目当ての場所はすでに散っていましたが、上流にまだ咲き残った木を発見。2日間歩き通しでもう足が棒のようになっていましたが、ここまで来てあきらめるわけにはいきませんでした。


たどり着いた場所からは興津川が太平洋へと注ぐ景色も。青い空と清い流れのもと、211系が走っていきます。とてもラッキーなことにこの時間帯は上下合わせて6本が立て続けに通過するゴールデンタイム。手を変え品を変えいろいろな構図に挑戦することができました。

 

そして、いよいよ最後の一本。

一番きれいに咲きそろっている場所を選んでシャッターを切りました。
最後の最後にファインダーに飛び込んできたのは6連の211系。往年の併結運転のシーンを桜とともに収めることができました。

やり残したことも数あれど、決して無駄ではない、充実した3日間でした。

さようなら春―。季節は初夏へと移ろいます。